東京ビジネスコンシェルジュでは不動産活用にお悩みを持つ経営者の方からご相談いただくケースが増えてきました。
今までの補助金では不動産関連経費は認められないケースが多かったのですが、今回の事業再構築補助金では申請可能経費に「建物費」が追加されました。これにより工場、店舗の新設に関わる大規模な投資についても経費計上できる様になったため思い切ったビジネスモデル転換の取り組みが可能となりました。建物費は主要経費として重要な経費科目として最初に挙げられており、以下が詳細な説明となります。
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1)補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
2)補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
3)補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
4)貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
上記の説明を見ると製造業、サービス業などで工場新設、店舗新設を対象としているようにも読めますが、自社で保有するオフィス、店舗、住宅用の不動産を活用して新規事業を検討するには最適な補助金と言えるでしょう。建物の内装工事、外装工事、設備工事、システム投資など様々な経費が計上できます。
事業再構築補助金の業種分類は日本標準産業分類により申請することになっており、不動産業は「大分類 K:不動産業・物品賃貸業」にあたります。中分類として不動産取引業、不動産賃貸業・管理業、さらに小分類と区分されています。事業再構築補助金の申請要件として、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編の5類型のいづれかに当てはまる取り組みである必要があるのですが、もともと不動産業は、不動産取引業と不動産賃貸業・管理業は関連性の高い事業なので、製造業など他の業種に比べて比較的事業再構築要件を満たしやすい業種と言えるのではないでしょうか?不動産業・物品賃貸業での採択件数、採択率は以下の通りとなっています。
採択件数 | 採択率(%) | 全業種の採択率(%) | |
第1回目 | 160件 | 18.5% | 36.1% |
第2回目 | 257件 | 28.7% | 44.9% |
採択率を見ると全業種の平均に比べて低くなっていますが、要因の一つとして申請件数の中に、保有している不動産の単なる賃貸業としての有効活用も含まれていることもあるのではないかと推測されます。公募要領の要件にも記載がありますが、「建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業」は対象外となっています。自社保有の不動産を有効活用する場合、あくまでも何らかの「事業」をその場所で行うことが必要であり、単に空きビルを事務所・店舗として貸し出す様な取り組みは対象外とされると考えた方が良いでしょう。 当事務所は様々な業種でコンサルティング経験のある専任コンサルタントが御社の自社保有不動産を使って、どのような事業が可能か一緒に考え、事業計画を作り込んでいきます。安心してご相談ください。
概要説明資料にも事例紹介がある通り、ホテルなどの宿泊業を経営している会社が建物を改装し、コワーキングスペースやサテライトオフィスとして新規事業を始める場合に事業再構築補助金の活用が可能です。
シェアオフィス 、コワーキングスペースなどの開設に関わる経費としては以下の様な経費が考えられます。
1)建物費:シェアオフィス 仕様に変更するための内装工事、外装工事、設備工事、間仕切り工事、照明工事、家具工事などオフィス開設までに必要となる費用が計上可能です。
2)機械装置・システム構築費:設備機器などの購入費用も計上可能です。また予約管理システムなどのシステム導入費用も対象となり得ます。
3)広告宣伝・販売促進費:シェアオフィス 開設時には集客に関わるマーケティング施策を行う必要があります。マーケティング関連の費用として、ウェブサイト構築費、チラシ作成費用、広告費、ポスティング 費用なども認められます。
4)研修費:シェアオフィス を開設する場合、受付業務、審査・契約・請求管理などのバックオフィス業務が必要となります。自社のスタッフで未経験の場合は外部のコンサルタントなどにお願いして一定期間研修が必要となる場合もあるでしょう。こういった研修費用も経費として計上可能です。
事業再構築補助金の事務局ページには1回目から採択された企業の事業計画のサマリーが公開されています。不動産活用の事例に該当すると思われるものを記載しました。御社の事業計画策定の際の参考としてください。
事業計画の概要 | 申請枠 | ポイント |
宿泊事業やまちづくり事業で培ったネットワークを生かし、既存建物を活かして「コワーキングスペース」と「ワークシェアリング」として再生 | 通常枠 | 不動産活用による新規事業は地域活性化(まちづくり事業)とも親和性が高く、地域コミュニティと一体となった取り組みは審査ポイントでも有利になります。また資金調達においてはクラウドファウンディングを活用するなどの方法も有効です。申請対象者として商店街も申請可能ですので、地域と一体になった取り組み事例は今後も増加が予想されます。 |
コロナ禍で不動産取引が激減する中、既存事業で培った不動産活用のコンサルティングノウハウを活かして、自社所有土地に複合施設を建設し新規事業に取り組む | 通常枠 | 自社所有地を活かした取り組みは投資額を抑えられる、自社の方針でプロジェクトを進められるという意味でも新規事業を検討しやすい取り組みです。複合施設には、コワーキングスペース、ダンススタジオ、写真スタジオ、貸し会議室、飲食サービス、ウェディング事業、パーソナルジム、エステサロン など様々な新規事業のアイデアと親和性が高く、自社にノウハウがなくても他社とのコラボレーションや専門家の活用により実現性が高まります。 |
多様な働き方へのニーズが高まる中で、インバウンド用の宿泊施設からテレワーク用レンタルオフィス業に転換する。入退室に暗証番号キーの採用、予約システムを導入することで非接触の営業体制で運営する | 特別枠 | 宿泊施設をレンタルオフィスに用途転換して収益アップを狙うという事例。テレワークによる働き方の変化は今後も続くと思われ、ニーズを捉えた事例と言えるでしょう。また自社保有の不動産活用により社会課題解決につながる取り組み(例えば空き家問題の解消、介護施設・障害者施設への転用)なども審査ポイント上も有利に働きます。 |
対面型の不動産販売事業からWEBを活用したサービス提供への転換。資産運用型不動産に特化したプラットフォームを開発し、新たなサービス提供を展開する | 通常枠 |
事業再構築の事例に不動産テックの事例が増えてきました。現物の不動産事業の転換だけでなく、「IT×不動産」という視点で自社の事業を見直すことで新規事業につながる可能性があると思います。他にも中古不動産売買で不動産のメルカリを目指す取り組み、ネットオークションのプラットフォーム事業なども採択されています。 |
不動産クラウドファンディングシステムを開発した後、インターネット上で投資家から募集した出資金でファンドを組成し、不動産を取得・運用・売却し得られた収益を投資家に分配する不動産特定共同事業に挑戦する。 | 通常枠 | 不動産特定共同事業は簡単にいうと個人や1社では購入できない高額な不動産を複数の投資家から資金を募って不動産運用で上がる収益を投資家に還元する仕組みです。事業再構築補助金でこのような事例が増えれば、いまだ活用されていない不動産の有効活用が進み市場の活性化につながることが見込めまれます。 |
自社所有地の有効活用のために様々な機能を持つコンテナハウスを設置し、複合施設として開業する。 | 通常枠 |
コンテナハウス・トレーラーハウスは住宅用、キャンプ用、店舗、事務所など様々な用途での活用が可能でありアイデア次第でいろいろな新規事業が考えれます。他にも自社保有地を活用して、グランピング施設を作ったり、ワーケーション施設としてリニューアルするなどの取り組みも考えられます |
時代の変化に対応した革新的なコインパーキング新規事業を進める。キャッシュレス決済や、EV(電気自動車)充電設備の導入など付加価値を高めた取り組みを行います。 | 通常枠 | 遊休地の有効活用として一般的なコインパーキングですが、時代の変化を見越して非対面化、EV充電設備の導入などニーズを捉えた取り組みと言えます。また自然の観光資源を活かせる土地であれば、グランピング事業、ワーケーション施設への転用なども可能でしょう。 |
コロナ禍でインバウンド需要が激減したが「マイクロツーリズム」の需要が増加している。酒蔵を活かして日本酒文化を味わう体験型オーベルジュを新規展開し、宿泊事業への業種転換を図る。 | 特別枠 | 既存の建物(資産)を活かす取り組みは様々な可能性を持っています。観光業も「モノ」から「コト」へニーズの重点が変化する中で、地元では気づかない「強み」(観光資源)が眠っていることが多くあります。 |
不動産賃貸業では、テナントの退去や家賃減額請求により経営が厳しい状況。自社保有ビルを改装し、需要が拡大しているレンタルスペース事業を開始します。 | 通常枠 | 自社保有ビルをお持ちの企業であれば、アイデア次第で様々な用途転換により新規事業に取り組めるチャンスがあります。他にもコインランドリー事業、トランクルーム事業などの事例も多く採択されています。 |
当社がご支援した事業者様は業種を問わず高い採択率で申請通過しています。審査のポイントは御社の強み・弱みの分析、経営課題の抽出、課題解決のための施策設定およびそれに紐づいた取組内容(経費明細)を一貫したストーリーで簡潔にまとめることです。当社では経験豊富なコンサルタント(中小企業診断士)が説得力のある事業計画書をゼロベースで作成します。
いままで当社がご支援した企業様は首都圏に限らず、北海道から沖縄まで全国各地にいらっしゃいます。
無料かつ手軽に使えるオンラインチャットツール(Line worksなど)を活用することで、遠隔でも十分にサポート可能です。
当事務所の関係会社(SMEソリューションズ)はIT導入支援事業者にも登録されておりますので、ITツール導入に不安がある方でも安心してご相談ください。
補助金採択後は交付申請手続き、補助事業(取り組み)の実施、経理書類の整備、実績報告書の作成・報告など事務作業が必要となります。事業再構築補助金は投資金額も大きいため報告業務に関わる事務作業もしっかり準備して進めることが必要となります。当事務所では採択された事業者様へのサービスとして追加費用なしで採択後の諸手続きについてアフターフォローサービスをご提供しています。安心してお任せください!
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